こんな疑問を解決!
・海苔の種類ってどれくらいあるの?
・普段食べている海苔ってどんな種類なの?
・おいしい海苔の種類は?
この記事を書いている人
るーちゃんと名乗る得体の知れない24歳のOLです。
大学で生物学を専攻していたくらいの生きもの好きを活かして、色んな生き物について発信をしています。
知っておくとちょっと自慢できるお得な生きもの情報を提供できるように心がけています!
そもそも海苔って何者なの?
海苔ってそもそも生きものなの?何者なの?
という疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?
わかりやすく言うと海苔は「海に住む植物」です。
海に住む植物は生物学用語では"海藻"と呼ばれています。
海藻というとワカメとか昆布を連想する人も多いのではないでしょうか?
ワカメと昆布は普段食べる際は水分を含んでいる状態のことが多いですよね。
一方で海苔はおにぎりに巻いてあったり、乾燥した状態で食べることが多いです。
なので普段食べている海苔と海に住んでいる時の海苔は風貌がかなり違います。
↑これが海に住んでいる時の海苔の姿です。
想像と全然違った!本当にあの海苔と同一人物??と疑いたくなるかもしれません。
海苔の製造工程で全てミンチにされるので、
海苔の本当の姿を見たことがないという人も多いのではないでしょうか?
こうやって見るとワカメや昆布と同じ海藻の仲間だとうなずけますよね。
海苔の種類ってどれくらいあるの?
海苔が何者かわかったところで、次に気になるのは種類ではないでしょうか?
海藻の中でも昆布の仲間、ワカメの仲間といったようにたくさんの分類があります。
海苔は
紅藻>ウシケノリ目>ウシケノリ科>アマノリ属
に属しています。
いきなり専門的な話で頭が痛くなりかけそうですが、覚える必要は全くありません。
頭の片隅に入れておくだけでOKです。
このアマノリ類は海藻類のグループの中でもかなり大きいグループです。
世界では130種類以上、日本では2012年の時点で29種の生育が報告されています。
こんなに海苔の種類があるなんて驚きですよね。
日本海苔と韓国海苔の違いは?
なんででしょうか?
製造工程が違うのももちろんですが、
勘の良い人は察しているはずです。
そうです。
加工している海苔の種類が違います。
日本海苔のほとんどは「スサビノリ」という種類の海苔を使っています。
↑海の浅瀬に生息し、表面がツルツルしているのが特徴。
一方で韓国海苔は「オニアマノリ」や「マルバアマノリ」と呼ばれる種類の海苔を使用しています。
*スサビノリを混合して製造しているものもあります。
↑海の岩場に生息し、所々に穴が開いているのが特徴。
そもそも使っている海苔の種類が違ったら、食感や味も違うに決まっていますよね。
食べている時にもわかりますが、韓国海苔は日本海苔に比べて穴が多く破けやすいですよね。
日本では海苔巻きやおにぎりに海苔が多く消費されているため、
韓国海苔が広まりにくかったとされています。
おいしい海苔の種類ってあるの?
一番気になるところではないでしょうか?
どうせならおいしい海苔が食べたいですよね。
おいしい海苔を食べるなら江戸時代にタイムスリップするのがオススメです!
いきなりキチガイなこと言い出してすみません。
その理由をお話しするのでもうしばらくお付き合いください。
日本海苔の歴史は江戸時代に遡ります。
江戸時代に入ると浅草寺の前で定期的に農産物や水産物を売る定期市が開催されるようになります。
その時に漁師達が和紙を使って海苔を乾燥させて売り出したのが日本海苔の始まりと言われています。
先ほど日本海苔のほとんどは「スサビノリ」という品種の海苔だということをお話しました。
しかし江戸時代に食べられていた海苔は「アサクサノリ」という品種の海苔でした。
浅草寺前で売られていた頃から「浅草(アサクサ)」の「海苔(ノリ)」と呼ばれるようになったと言われています。
じゃあアサクサノリとスサビノリってどちらがおいしいの?というと
アサクサノリの方がおいしいとされています。
アサクサノリの方が甘味が強く、柔らかく旨味も強いからです。
実際に私が大学の頃に所属していた研究室でも
アサクサノリの方がアミノ酸(うまみ成分)の含有量が多いという結果が出ていました。
だったら令和になった今もアサクサノリを食べようよ!
と思うのですが、それはできません。
昭和30年代ごろまでは多く普及していたアサクサノリですが、
水温の変化や汚染に弱い品種で生産が安定しませんでした。
そこで環境の変化に比較的強いスサビノリにスポットが当たりました。
実際にアサクサノリよりも生産が安定したため、現在では日本海苔のほとんどはスサビノリとなっています。
逆にアサクサノリは海苔生産の全体で1%にも満たない希少な品種になっています。
とはいえ浅草海苔を販売している海苔屋さんもあるので、
一度食べ比べてみてはどうでしょうか?
これを知っておけば自慢できる!
・海苔はワカメや昆布と一緒の海藻の仲間
・日本の海苔と韓国海苔は使われている海苔の種類が違う!
・今食べられている海苔はスサビノリという品種
・江戸時代には別の品種のノリが食べられていたが、絶滅危惧種になってしまった。
例えばおにぎり食べながら
「これってスサビノリっていう品種のノリなんだよ」
というだけでも
「すげぇ!ノリ博士じゃん!」
ってなります。
ちょっとした雑学として覚えておいても損はないかもしれません。
目指せノリ博士!
〜参考文献〜
菊池則雄(2012), アマノリ,渡邉信(編・監修)藻類ハンドブック
pp611-616 株式会社エヌ・ティー・エス 東京