るーちゃんブログ

24歳OL。ガリ勉の高校時代を経て、第一志望の大学に入学。そのままとんとん拍子で第一志望の企業に就職するもメンタルがやられて人生初めての挫折。キャリア、メンタル、ときどき恋愛の話を書きます。

トイプードルがかかりやすい病気とは?どの犬種よりも遺伝的にかかりやすい病気があることが明らかに!【膝蓋骨脱臼】

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日本で最も人気の犬種と言われているトイプードル。

愛くるしい見た目が本当に可愛らしいですよね。

 

抜け毛が少ないことや頭がよくしつけも覚えやすいということから

初めて犬を飼う人にもおすすめの犬種となっています。

 

そんな可愛くて大人気のトイプードルですが、

2019年5月22日にアニコム損保保険株式会社と理化学研究所の研究チームが発表した論文で

他の犬種よりもある病気にかかりやすいことが明らかになりました。

 

どんな病気なのか?

治療法・予防法はあるのか?

など詳しくお話ししていきます!

 

 

こんな方にオオスメの記事

・トイプードルを飼うか迷っている人

・これからトイプードルを飼う予定の人

・トイプードルを飼っている人

・トイプードルの病気の予防について知りたい人

 

 

トイプードルは病気にかかりやすい?

2019年5月22日にアニコム損保保険株式会社と理化学研究所の研究チームは

The Journal of Veterinary Medical Scienceという日本獣医学会の学術誌に

トイプードルは遺伝的に「膝蓋骨脱臼」という病気にかかりやすいという研究結果を発表しました。

 

研究の対象となった犬種は以下の9種です。

 

・トイプードル

・チワワ

ミニチュア・ダックスフンド

・柴

ポメラニアン

ヨークシャー・テリア

マルチーズ

ゴールデン・レトリーバー

ラブラドール・レトリーバー

 

の合わせて2048匹の子犬(0歳)を対象に

膝蓋骨脱臼という病気をもっている割合(有病率)を調査しました。

 

その結果が以下のグラフの通りになりました。

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JVM NEWS 獣医学関連 学会・業界情報 - 文永堂出版より

 

横軸の%は膝蓋骨脱臼をもっている割合(有病率)を示しています。

トイプードルは9犬種の中で膝蓋骨脱臼を発症する割合が最も高く、14.4%という結果になりました。

トイプードルの子犬の約7頭に1頭が膝蓋骨脱臼を発症するということが明らかになりました。

 

 

膝蓋骨脱臼ってどんな病気?

膝蓋骨脱臼って聞き馴染みがない方も多いかもしれません。

読み方は「しつがいこつだっきゅう」です。

 

トイプードルやポメラニアンといった小型の動物がかかりやすいと言われている病気の1つです。

 

病気の名前の通り、

膝蓋骨(膝にあるお皿のような骨)が脱臼(正常な位置から内側や外側に外れてしまう)病気です。

 

特に小型犬は内側への脱臼が多くみられます。

膝蓋骨を英語で「patella」(パテラ)と呼ぶことから膝蓋骨脱臼のことを「パテラ」と呼ぶこともあります。

 

膝蓋骨脱臼の症状は以下の4段階のグレードに分けられています。

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膝蓋骨脱臼 - 犬の病気|FPCのペット保険より

 

グレード1,2の症状が軽い段階では

脱臼しても自然に膝蓋骨が元の位置に戻り、普通に歩けるようになる場合もあります。

 

ソファの上り下りの際に片足を上げたまま歩いたり、スキップをしていたが、

少し歩くと普通の歩き方に戻るなどの症状がグレード1,2の段階の例です。

 

しかし、症状が重くなると常に膝蓋骨が脱臼した状態になり、

足を曲げた状態で歩くなど、普通の歩行ができなくなる場合もあります。

 

 

膝蓋骨脱臼が起こる原因とは?

膝蓋骨脱臼が起こる原因は大きく分けて

①先天的な異常

②外傷

③骨に関する栄養障害

上記の3つです。

 

①先天的な異常

生まれつき膝関節や膝関節の周辺に異常をもっているパターンです。

 

冒頭にお話しした研究でも示された通り、トイプードルは他の犬種と比べると

生まれつき膝蓋骨脱臼を発症する可能性が高いです。

 

約7頭に1頭が発症するという結果も出ています。

 

また、ある子犬が膝蓋骨脱臼を発症した場合、

一緒に生まれた兄弟犬が膝蓋骨脱臼を発症するリスクは16倍以上ということも明らかになりました。

 

親が膝蓋骨脱臼を発症している場合は、その子犬も膝蓋骨脱臼を発症する可能性が高いです。

これからトイプードルを飼う方は親の病気も調べておくことをオススメします。

 

②外傷

日々の生活の中で、膝蓋骨に負担をかけて脱臼をしてしまうパターンです。

高いところから飛び降りた際に着地に失敗したり、交通事故に巻き込まれて脱臼をするなどの例があります。

 

特に子犬のうちは自分でどれくらいの身体能力があるのか把握できず、

ついヤンチャをして脱臼してしまうこともあります。

 

机の上など、普段よりも高いことろに登っている時は注意してみてあげましょう。

 

③骨に関する栄養障害

骨の栄養障害で最も一般的なのは「カルシウム不足」です。

粗悪なドックフードを与え続けてカルシウム不足になった例もあります。

 

ただ、過剰なカルシウムの摂取は逆効果になる場合もあります。

 

詳しい原因はまだわかっていないのですが、90年後半より多くの栄養学者から

「高カルシウム食を与えても同様に骨に異常が出る」という報告がありました。

 

栄養バランスの良い食事を心がけてあげましょう。

 

 

膝蓋骨脱臼にはどんな治療法があるの?

膝蓋骨脱臼を発症してしまった際の治療法は大きく分けて

 

①保存治療

②根本治療

上記の2つです。

 

①保存治療

一時的に症状を抑えるために行う治療です。

グレード1,2の症状が軽い段階で行うのが一般的です。

 

鎮痛剤やレーザーにより、関節の炎症状を抑えたり、

関節の健康維持に配慮した食事やサプリメントを取り入れる場合もあります。

 

肥満の場合は足の負担が大きいので、食事制限をしたり

カルシウム不足の場合はカルシウムのサプリメントを摂取します。

 

②根本治療

手術による治療です。

膝の溝を深くしたり、膝蓋骨を支える筋肉を固定する治療を行います。

 

症状の有無やグレードや関節周囲の状態などによって、適切な手術法を選択します。

 

グレードが高くなると、手術をしても二次障害が起こるリスクが高くなるので、

早期の手術を勧められることが多いです。

 

2016年1月~2017年12月末までの請求では、片側膝蓋骨脱臼の手術費用は16万円付近が一番多く、上限が30~40万円でした。

膝蓋骨脱臼は脱臼の状態によって、複数の難易度の高い手術法を組み合わせる場合もあります。そのような例では手術費用も比較的高くなる傾向があります。

膝蓋骨脱臼 - 犬の病気|FPCのペット保険 より引用

 

ペット保険のFPC株式会社の調査によると、

膝蓋骨脱臼の手術費用は平均して16万円ということです。

 

結構高額ですよね。

もしもの時に備えて、ペット保険に加入しておくことをオススメします。

 

 

膝蓋骨脱臼の予防法3つをご紹介

最後に膝蓋骨脱臼の予防法

①飼育環境を整える

②体重・栄養管理をする

③定期検診をする

の3つをご紹介します。

 

①飼育環境

膝に負担をかけないような環境を整えてあげるのが大切です。

 

室内で飼育する場合は、硬くて滑りやすいフローリングはNGです。

床にクッションとなる絨毯やマットを敷くようにしてください。

 

また

滑らないように足の裏の毛を短くカットする

ソファーへの上り下りや急に向きを変えるような運動を避ける

といったことも予防につながります。

 

②体重・栄養管理をする

肥満によって足に負担をかけてしまったり、カルシウム不足にならないように管理してあげることも重要です。

 

散歩の頻度を増やして運動をさせてあげたり、餌で工夫をして栄養管理をしましょう。

 

グレード1,2の場合は、体重や栄養の管理によって症状の悪化を防ぐことができる場合もあります。

 

③定期検診をする

症状が軽い場合は、飼い主が膝蓋骨脱臼に気づかない場合もあります。

定期的のかかりつけの動物病院で診てもらうことをオススメします。

 

重症化すると手術をする必要があります。

 

特にトイプードルは他の犬種よりも膝蓋骨脱臼を発症する可能性が高いので、

早期発見・治療を目指しましょう。

 

膝蓋骨脱臼は触診で確認することができます。

ワクチン接種などのタイミングで動物病院へ行ったときに膝のチェックをしてもらいましょう。

 

 

膝蓋骨脱臼を発症しないことが一番いいですが、

気をつけていても生まれつき発症しやすいワンちゃんもいます。

発症してしまった場合は早期治療をオススメします。